2010年6月
計量法・ホームセンターでは
 


  
計量の単位は日本でも以前は、○貫○匁とか、尺や寸などの尺貫法が長い間使われていて、使い慣れた人にとっては、変えるとなると大変なことです。
今のメートル法に変えるのにはやはり抵抗や反対もあったかもしれないけど、未だに根強く変えようとしないほかの国があるのに較べると、以外にも簡単にすんなりと受け入れたようです。
日本人は古いものにこだわり、保守的だと思われがちなのだけど、明治維新のように、改革してしまうと順応するのは早い民族なのかもしれません。

パラオではアメリカと同じヤード・ポンド法で、重さはポンド、長さはインチやフィートを使っていて、メートル法のように10や千の単位で呼び名が変わるのと違い、非常に複雑でかなり不便です。
スーパーで買物をするのに、野菜や肉であれば”ポンド”(約450グラム)も慣れてしまうとそんなに苦労しないで換算できるのだけど、もっと少量ではオンス(28グラム)を使い、容器に入っている物のラベルには、ガロン(約3.8リットル)やFLオンス(0.03L)やクォート(0.96L)があって、商品によって表示が違い、量を較べるのには簡単には換算できないので、棚に並んでいたら実際に手に持って較べるしかありません。

ホームセンターで工具や資材を買いに行くと、フィート(約30cm)やインチ(0.25cm)ならまだしも、ネジやボルトなどでは1/2 5/8 6/11インチなどと細かく表示をしてはあるのだけど、それを見ただけではどっちが長いかぐらいしが分かりません。
レジでお釣りの計算をしているのを見ても、アメリカ人やパラオの人が計算に強いとは思えないのだけど、もしかしてこれって、わざと難しくしてあまり計算をしなくてもすむように、大雑把に考えて、もし細かい物が必要なら、実物を持ってきて合わせてみろ、とでも言っているようにも思ってしまいます。

こちらのホームセンターでは、アメリカから来る製品が多く、日本とはちょっと違った品揃えになっています。
電動工具なども、怪我をしないようにとか、あまり器用でない人が扱ってもいいようにとか、アメリカ製品には見ていると感心してしまう物がよくあります。
以前に、壁紙を張り替えるのに材料を買いに行くと、その接着剤は1種類しかなくて選べないのだけど、使ってみると、その粘着力の強さは微妙で、作業中に間違えてズレても強く張り付いてないからすぐに直せるし、プロでなくても仕上がりはそこそこ綺麗になります。

取り寄せられるアメリカのメーカーの電動工具のカタログも置いてあって、そこに見慣れない物がありました。
よく見てみると釘打ち機で、かなり種類もあるのでアメリカではよく使われているのかもしれません。
日本では、釘はハンマーを使って打つものと思っているけど、器用でない人には電動釘打ち機も手を叩いてしまうことがないので必要なのかもしれません。

ただ、パラオのホームセンターではカタログにあるたいていの物は揃っているのに、釘打ち機は棚に並んでいません。
パラオでは古くから日本人がいて大工仕事を教えていたので、釘打ち技術も引継いでいて、機械を頼らなくてもハンマーで十分と思っているようです。

海外にいると、日本人の意外なスゴさに気がつくことががあります。