2011年12月
レストア魂



どうしてだか分からないけど、ふと思いついた言葉。
どうも”ヤマトダマシイ”とか、”職人魂”なんかを連想していたら出てきたようです。

古くて、錆び付いていて、それほど高価でもなくて普通なら捨ててしまうような物でも、ただの物ではなくて趣味の対象となるモノであったら、時間とお金をつぎ込んで元のようにしたいと思う人達がいて、そんな古い車やバイクをコツコツと直す人をレストアラーと言うようです。

古いバイクの好きな私も、パラオにいてそんなことを趣味にするほどの余裕はないし、性格的にもそんな繊細なことをするには向いていないけど、パラオでは壊れてしまった物でも、代わりの物が手に入りにくいこともあり、趣味ではなくて、必要上直して使うことになります。
ただそれには技術的なことも必要なのだけど、もっと大事なのは気力で、ヨットの壊れたパーツなどのサビや塩分で固まった物を掃除している途中で、これが本当に直るのだろうかとか思うようになると、投げ出してしまいたくなります。

そんな時にある人から、古い車やバイクをレストアする趣味人達のための修理の方法や、苦労話の雑誌が郵送で届きました。
物があふれて、使えなくなった物は捨てるという時代にあって、何とか直したい、古くて在庫のないパーツでも時間を掛けて何とか作ってしまう、そんな人達を見ていると、ここで挫けてしまってはだめだという勇気!とエネルギー!が湧いてきます。

”ナキリ号”も船齢がすでに20年近くなっていて、日頃のメンテナンスだけでは追いつかない問題も出てきます。
ヨットを操作する装置の一つのウィンチはセールなどに受ける強烈なパワーを分散させてロープを引き込むパーツで、動かなくなって諦めかけていたのもその雑誌を見てからの精神的支えで、ゆっくり時間を掛けてなんとか分解して元に戻す事が出来ました。

ヨットのメンテナンスでは、手間と時間のかかることが多くて、今まではこの時間をがあればもっと海で遊べるのにと思いながら作業をしていたのだけど、思い直してそれも趣味にしてしまえば楽しくなるし、無駄に新しいのを注文しなくてよくなり、信念と情熱を持っていれば諦めかけていた事でもやれば出来るという変な自信も出てきました。
(ちょっと大げさですか?)