2012年1月
船名について
よく聞かれる”NAKIRI号”の名前の由来は、以前にヨットで何度か訪れた、三重県の小さな港町からその地名を名前にしました。
なきり漁港があり、航海安全を祈願するなきり神社もあります。
20年近く前、沖合いを航行中に海が荒れてきたので避難に入った港で、ヨットを着ける場所を探して岸壁をいったり来たりしていたら、地元の人がここに着けたらいいよと、港の中でも上陸するのに一番便利そうな場所に舫いロープを取ってくれました。
普通、外来のヨットなどは邪魔者扱いされるのがオチで、こんなのは稀な事です。

それから片付けを済ませ上陸して、銭湯に行きたいので近くにいたおばあさんに道を訊ねたら、ついて来てと言って海辺ではなくて高台にある集落への急な石段を登り始めました。
銭湯は確かに分かりにくい所にはあったのだけど、そのおばあさんは教えると、今度は今来た道の急な石段をすたすたと下って行きました。

何年か後にまた入港したことがあり、初めて入った食堂でお昼を食べている時にお店の人に、一番近くにある銀行の場所を訊ねたら、この町には無いけどこれで隣の町まで行ったらいいよと見ず知らずの私達に車を貸してくれました。
土地柄なのか、町の人全体が親切なのですね。
こんなやさしい人達の住んでいる所が好きなのでヨットの名前にしました。
それと、この”なきり”と言う地名は漢字では”波切”と書きます。