2012年4月
船名とヨット乗り気質
   
                               
ネバダ州ラスベガスは海からかなり離れていると思うのだけど?                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             
パラオには、太平洋一周や世界を何年もかけてのんびりと周航しているヨットが毎月3〜5隻やって来ています。
最初に入港する時には、マストの中間の高さくらいに入国審査と税関、検疫を受けるための目印になる黄色い旗を掲げ、マストをはさんだ反対側には滞在国を表敬してパラオの国旗を掲げるという国際的な慣習があります。
それから船尾には自国の国旗を掲げて、船体後部には船名と母港の地名が必ず書き込んであるので、新しく入港してきたヨットがどこの国から来たのか、通りすがりにチェックするのも楽しみです。

外来のヨットではアメリカとオーストラリアが多くて、次にカナダ、ヨーロッパからはフランスとドイツのヨットをよく見かけます。
たまたまなのかもしれないけど、ヨーロッパの他の国からのヨットは今までほとんど見たことがなくて、もしかしたら世界周航を目指そうとする人達の気質は国によって違うのかもしれません。
それからこの10年位の間に日本から来航したヨットで私が出会ったのが、九州から5隻、北海道から4隻、それから関東や四国からも数艇が来ているけど、日本の中でも九州と北海道が特に多いのは、海外にでも自分のヨットで乗り出して行こうという船乗り気質がやはり地域によっても違っているのですかね。

外国からのヨットでは船名の深い意味までは読み取れないのだけど、それぞれに何年もかけての航海で、ヨットは乗り物ではあるけど、住居でもあり、荒れた海や危険な事も一緒に乗り越えなければならない、信頼を寄せる相棒でもあるので、自分のヨットに名前をつける時には慎重に、愛着を持って考えます。

日本にいた時にはよくヨットハーバーに行く機会があり、やはり係留しているヨットの名前が気になり見ていると、大阪にあるヨットハーバーと関東のヨットハーバーでは名前の付け方に随分違いがある事に気付きます。
関東のヨットの名前はなんとなくスマートな感じで『ラッキーレディー』とか女性名詞も多いですね。
関西では何かをもじったり、とにかく奇抜な名前を付ける傾向があるようです。(私の知り合いのヨットから『トンボ』『毒取る』とか)
それから、九州や北海道のヨットでは、自分の夢や冒険心を覗かせるような名前が多いのも、そういう気質から来ているのかと興味深いものがあります。

ある本から引用したのを一つ。
恋人の名前をふねのに付けるのはロマンチックだが、破局が来た際のことを想像すると、少し危険だ。
次の恋人はその艇名に満足しないだろう。
その点、結婚している相手ならまだ安心。
それだって保証はないかもしれないが・・・・・