2006年2月
アジサシとミツバチ
パラオは野鳥の種類も多く、ロックアイランドではボートの上からでも優雅に飛翔しているのが見られ、姿は見せないけど数種の鳴き声も聞こえてきて、私達を楽しませてくれます。
ところがちょっと困り者もいて、ヨットのデッキにフンを残していくものもいます。

海面近くの小魚を餌とするアジサシは、小魚の群れを見つけるための見張りに、ヨットのマストの上が格好の場所らしく、何日間か船を空けて来てみるとマストの周りのデッキに白いのとか、黒いのや、木の実の種が落ちています。

4年前、パラオへ向かう航海の途中で、愛媛県の宇和島に4ヵ月間、ヨットの整備のために滞在していた時に、停泊している桟橋の周辺で桜や菜の花が咲き始めた頃、デッキに黄色い1〜2cmの糸くずのようなものがあちこちに落ちていて、最初はこれが何だかわかりませんでした。

元は薄緑色をしていたデッキを、裸足で歩いても足の裏が熱くならないように、南国仕様の白に塗り替えたばかりなのに、非常に目立って、不用意に拭き取ろうとすると黄色いシミが広がってしまいます。

近所の人に聞くと、それは蜜蜂のフンで、ヨットの停泊地のすぐ裏の山に養蜂場があって、この季節だけのミツバチの通り道になっているとのことでした。
見上げてもはるか上らしく、何も見えないのにいきなりデッキの上に黄色い物体が出現するといった感じで、それを掃除している時のTシャツの背中にも落とされることがありました。

宇和島でもそんなことがあったなと思い出しながら、なんとかしなければと、以前にやはり宇和島のヨット仲間から、マストの上にCDを針金で回転させるように取り付けると、反射でまぶしくて停まらなくなると聞いていたので早速取り付けてみました。

湾の奥に停泊しているヨットまでテンダーで近づくとキラキラ光っていて、これは効果があるだろうと思ったのに、以前よりは少し減ったような気もするのだけどやはり落し物ががあります。
想像するのに、近寄った鳥が停まる所がないので、悔し紛れにエイッとばかりに置き土産を残していくのではないかと思っています。